新型コロナ対策 【その1】 マスクの必要性
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2020年3月6日
【その1】 【その2】> 【その3】>   佐藤千史

新型コロナ対策で様々な情報が乱れ飛んでいます。科学的根拠のない話が多いことから混乱を招いています。千代田の皆さんに掲示板で情報をお届けしていますが、掲示板はランニングについて書くことが原則ですので、逐次、こちらに移して戴くことにします。

1.うがいについて
昔から風邪予防にうがいといわれてきましたが、実は科学的根拠はありませんでした。2005年に京都府立医科大学の里村氏らがうがいの効果を無作為化比較対照試験という科学的な方法で検証して米国予防医学雑誌に発表しました。対象群を、何もしない、ヨード液でうがいをする、水でうがいをする、に分けて経過を見たところ、水うがい群で風邪の罹患率が低下していました。当時の毎日新聞にも「風邪にはやっぱりうがい」と掲載されています。ただ、その際に理由は不明ですが研究者たちはインフルエンザ様症状を除外しており、インフルエンザ様症状を呈した対象者は3群で差がありませんでした。この理由については論文で述べられていませんでしたが、インフルエンザ予防対策としてうがい以外のことが重要であることを示しています。常識とされていたことでも科学的根拠がないことの例として講習会や大学院講義などでお話してきました。
風邪はライノウイルス、コロナウイルスなどによる感染症です。もちろん100%予防はできないでしょうが、マスクが品薄の現在、水道水はいくらでも手に入るし、うがいはタダです。うがいをしましょう。
これらについて某新聞に投稿しましたが没のようです。以前に熱中症対策で「こまめに水を」キャンペーンは「百害あって一理あり」、水を飲むよりかけましょう、という投稿をしましたが梨のつぶてで、1週後に科学記者が全く別の記事で「百害あって一理あり」との文言を書いているのをみましたので、こちらで皆さんにお知らせすることにしました。

2.マスクについて
【佐藤式マスク料理法】
耐熱皿に普通のマスクをのせてポットのお湯を浸るまで入れる(水でもよい)。砂糖・塩は入れない。ニンニクを入れても人は逃げるがウイルスには効果がない。
電子レンジで500ワット約2分加熱する(水の場合は約3分)。虫眼鏡でコロナウイルスが見えなければOK
火傷をしないようにゴムをつまんで引き出して干す。乾いたらまた使う。

ニンニクに抗菌効果があるなどという俗説があるので追加しました。マスクメーカーがマスクを洗って再利用するのはフィルターが破損するのでダメですと言っています。「洗って」と「再利用」が混同されて広がると困りますので追加します。お腹が空いた、餓死しそうだ。去年のお米を食べてもいいですか。いえいえ、美味しくないからダメですよ。マスクメーカーのコメントはこのようなものでしょう。(フィルターのない)ハンカチでも良いと言っている専門家もいます。よしんばフィルターが多少破損したとしても飛沫感染は防げるのです。本質は加熱することですから、鍋で煮ても良いのですが、やはり痛みが早く来るようです。だからこその佐藤式マスク料理法、特許を取っていないので惜しいのですが、千代田だけでなくお友達に紹介して戴いて結構です。

マスクについてWHOがとんでもないことを言っています。マスクは感染予防にならないので皆がする必要はない、感染した人が人に感染させないためのものであると。確かにマスクが感染予防になるとのエビデンスはありませんが、新型コロナの特徴が少しずつ明らかになってきたところで、専門機関がこのようなメッセージを流すなど正気の沙汰ではありません。持って回った言い回しになりますが、今、集団において求められているのは個々人が感染を防止することではなく、個々人が感染を広げないことなのです。

 皆さん、今こそマスクをしましょう。新型コロナは潜伏期間が長く2週間のこともあることが分かってきました。また症状のない感染者がいることも分かってきました。更には治癒したと思われて人にウイルスが再出現したという情報もあります。つまり症状がなく悪気はなくてもウイルスをまき散らしている人がいる可能性が高いということです。今どこかでウイルスを拡散している人がいるのです。それは元気にしているあなたかも知れません。あなたは新型コロナに既に感染していて感染源になっているかも知れません。さてどうしますか。まず人に感染させないように感染防止策をとることが必要です。マスクです。感染しているのだったら今更もういいや、ではありません。集団における感染の広がりを押さえ込むためには一人一人が他人に感染させないように注意することが大切なのです。仮に2週間、日本人が全員マスクをしたとします。感染していたら2週間後には症状が出るでしょうから、その場合は確認検査を受ければ良いのです。でもその間にマスクをすることによってウイルスを拡散しなくて済むのです。100%防止はできませんが、新たな感染者が半減すればどうなるでしょうか。また37.5℃4日間が一人歩きしているのも問題です。確認検査を受ける基準はそれで良いとしても、感染拡大防止には何の役にも立たないどころか、却って感染を増長しているようなものだと思いませんか。極論を言えば、確認検査などはどうでも良いので、一人一人が自分は感染者であると想定して行動すれば良いのです。これは国全体で考えなければならないことでありますが、ことここに至っても同窓会をやって感染した警察官がいたようなので、現実的には難しいようです。限界がありますが、不幸にして感染した場合でも職場内での拡大防止には役立つはずです。

 疫学的にみれば新型コロナは飛沫感染で広がっています。空気感染するという感染症専門家もいます。否定はしません。しかし、今重要なのは主にどのような経路で感染が広がっているのか、どのような経路を遮断したら効果的なのかであって、空気感染しうるか否かではありません。屋形船、クルーズ船パーティー、介護、親子、全て相手に手の届く距離で相手と顔を向かい合わせた状況で感染しているのです。空港内でも列車内でも拡散していません。観光バスでも客と顔を合わせたはずの運転手さんが感染したのであって内部拡散はしていません。感染者は同じ時間に同じ空間にいたのであり、疫学的には同所性・同時性なのです。くどいようですが、空気感染はあったとしても主たる感染経路ではないのです。だから皆がマスクすることが必要なのです。 鈴木北海道知事はマスクで会見に臨みました。後ろの職員も全員マスク姿でした。翻って安倍首相の記者会見では記者は皆ノーマスクでした。首相がしていないのにできませんね。国会で安倍首相の後ろでささやいていた官僚氏、無症状の感染者ではないでしょうね。相撲協会のニュースでも理事は誰もマスクをしていませんでした。ワイドショーのキャスターさん達は素人だからまだしも、テレビに出ている感染症専門家の方々は自分がまさか無症状の感染者であるかも知れないなどとは夢にも思っていないのでしょう。
 
うがいと手洗い、そしてマスクをしましょう。何枚も持っている必要はありませんので、持っていない人には1枚で良いから分けましょう。毛羽立ちが気になるのでしたら内側にガーゼやティッシュを入れたり、トリミングしたりしましょう。

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