ついに3年ぶりのこの大会が帰ってきた!!エリートランナー登竜門の「第71回別府大分毎日マラソン」。2021年はコロナ禍によるオンライン大会、2022年は開催直前にオミクロン株蔓延でカテゴリ1+大分県民枠のみに縮小となっていた。そして迎えた2023年のテーマは「すべてのランナーとともに」。2024年パリ五輪を目指す学生や若き実業団ランナーだけでなく、全国のシリアスランナーも運営側も待ちに待った1つの思いを代弁するシンプルなメッセージの下、集結!!また福岡国際や琵琶湖毎日マラソンが2021年〜2022年に無くなったことと対照的に別大マラソンはシリアスランナーの裾野を広げており、2022年の縮小大会の影響で出場できなかった選手の繰り越し権利+新規エントリの結果、大会最多の4,153人の参加人数となり、報道陣も盛り上がりを見せた。
3年ぶりに千代田ブルーで別府に足を踏み入れたメンバーは、初出場3、ベテランランナー5名。そのうち、初出場の井原康孝さんは海外出張、ベテラン組の島根から出場の門脇さんはハード練習の影響によるケガで無念の欠場となり、壮ちゃんの北海道ラン仲間で2017年以来に一緒に別大を走った鈴木隆志さんが大会3日前にぎっくり腰になり当日棄権を選択して応援にまわることになり、5名がスタートラインに立った。
前夜の決起会では、昔、兎川さんが進めていた「とよ常」にしようと香織ちゃんが選定。別府の名物「とり天」や海の幸の料理を堪能。杉本さんはカーボローディングで、ごはん2杯を平らげたり、刺身は翌日の大会に影響が出るからと選手は我慢しつつ、初めての別大、久しぶりの別大の空気を吸い、話もはずみ、サブスリーと完走を誓い合った。
withコロナでスタート地点のうみたまごまでのシャトルバスの各選手の時間制約があったり、コロナ前の頃にスタートまで待機していたお土産施設「おさる館」が一般の方以外は入れなかったりと、従来と異なる部分もあったが、ポカポカ陽気で意外と寒くなく、水族館の中で待機したり、アップしたりしながら、コロナ前と変わらないお約束の11時に大矢さんと合流して集合写真を撮り、皆それぞれの思いを胸にスタートラインへ散っていった。気温9度、湿度50%、微風のベストコンディションのレースとなった。
千代田的大会予想は、2022年12月の防府で2時間45分を出した別大初出場の杉本くんを筆頭に還暦サブスリーのレジェンド大矢敏夫さんと2022年12月の加古川マラソンで自己ベスト2時間52分をマークし、同50分切りを目指す渡辺健介さんと大矢さんに続く10大会連続別大出場中で平成最後/令和最初のサブスリーを達成した山ちゃんの三つ巴の争い。そして3時間30分切りで初別大初完走を目指す川那部岳志さんという予想。
大会当日の朝は、今年から始めたBlootoothを使った皇居−別府のLINE電話を行い、山ちゃんの意気込みを皇居に伝えました。
結果、最初にゴールしたのは、杉本さん。2時間40分12秒。なんと1ヶ月で5分自己ベストを更新。ネットタイムは2時間40分00秒。スタートは若干混雑で400m程、1km4分ちょいペースで推移、2km〜1km3分45秒を切るペースで集団を見極め、5km〜は今までにないハイペースで進みながらも体は楽で20kmまではそのままいけると確信。30km手前で向かい風が強くなり集団が失速するも良いペースで抜いて行ったランナーがいたので、着かせてもらい、向かい風ながら自己最速ラップをマーク。35km折り返して追い風になったところ、着かせてもらっていたランナーが1km3分40秒を切るペースに加速して着いていけず単独走になったが単独になると少し辛くなり、誰かの後ろに着こうとするもペースが合わず、腰も落ちて潰れかける。しかし、そこの後ろから30km手前まで同じ集団だった選手に抜かれ、何とか着いて行ったらまた足が動くようになったので走り続け、41km過ぎから失速するも競技場に入ったところで残り400メートルを70秒で行けば2時間40分切りと思い、ダッシュするも流石に間に合わず、ネットタイムでは30分台まであと1秒でした。福岡国際マラソンがあれば、そこに参加できる可能性も高い走り。しかも前半1時間20分、後半も1時間20分と失速なしの文句なしのイーブン走り!!あっぱれです。
2番手はレジェンド大矢さん。2時間54分21秒。大会戦績は74回フルマラソンに参加して、通算69回目のサブスリー!!そして還暦になって初の別大サブスリー!!山ちゃん宛に来た今年の年賀状には「人生下り坂もまた楽し」と書かれていましたが、全く信用できません。しかも2022年11月のつくばマラソンが2時間58分だったので、還暦でも4分上積してゴールするのは別大そしてフルマラソンの気候やコンディションを知り尽くしている証拠であり、しっかりカテゴリ2(2時間55分未満出場)に収まっているのも生きた伝説です。
3番手は山ちゃん。2時間56分17秒!!自身初の3大会連続別大サブスリーかつセカンドベスト。山ちゃんにしては珍しく、スタートから1km4分前後をきれいに刻み、5kmで健介さんが端から駆け抜けるのを横目で見つつ、17kmあたりから左足の太ももが筋肉痛のような感覚が出たが、自分は最低限サブスリーを目標にと意識しながら走ると27kmで失速した健介さんを拾い、3大会連続で健介さんに抜かれつ抜きつの展開になり、29km過ぎの弁天大橋の下り坂に差し掛かった時、横から「山ちゃ〜ん!!」と叫ぶ大きな声を耳にして振り向くと、なんと欠場した門脇さんが身を乗り出して応援!!「門脇さん!!」と返事をして、そのまま下り坂に入り香織ちゃん、池田さん、棄権した鈴木さんが待つ応援隊の声援がさらに後押しして通過。通過直後、香織ちゃんの「失速するなよ〜」という声が聞こえ、30kmを2時間2分で通過。これは前回サブスリーとほぼ同じのタイム。さあ、3年ぶりの別大は失速するか踏ん張るか、31、32、33km・・・と目の前の1km1kmを通過しながら、給水所のスポーツドリンク(31km、36km)→携帯した羊羹を食べ(32km、37km)→給水所の水(33km、38km)を飲み、35kmの折返しの後は、「1km5分でもサブスリーできるなあ、あれっ?4分20秒前後、まだいけそうだから貯金作ろう」と考えながら走り、大分市街地へ。39km地点で既にサブスリーは確実と思っていたが、40kmを過ぎても右に曲がる土手が見えず、「あれっ?こんなに見えなかったっけ?」と思いながら、ようやく41kmの札が出て右に曲がり、2度目の千代田応援隊が見え、拳を突き上げてサブスリー確実をアピール!!香織ちゃんが「大矢さんが少し前に通った」と言っていたので、「抜けないかな?」と思い、最後の右に曲がる陸上競技場へ向かうも400m先を右に曲がる道がまた長く感じ、「速く曲がれ〜」と思いながら走っていると右手に池田カメラマンがいたので、手をあげて通過し気持ちが晴れる。トラックに入り、時計を見ると前回よりも速いがこれ以上スパートは出せないので、イーブンでまわり、ゴール映像を意識しながら手を突き上げてガッツポーズしながらゴール!!
31km以降、少し攻めればカテゴリ2(2時間55分未満)も可能だったが、最低サブスリーと守りに入ってしまったことが反省。でも3年ぶりリアルのフルマラソンでサブスリーかつセカンドベストを出せたことは大きい。28歳で出場した初別大の2時間54分50秒と37歳で出場した今大会の2時間56分17秒はわずか1分30秒。まだまだ伸びしろがあることを確信できた良いレースでした。
4番手は渡辺健介さん。3時間04分42秒。序盤1km3分50秒?4分ペースを刻んでいたが、14km地点で勢いに陰りが出始め、18km地点で2時間50分切りペースから遅れが出始める。
レース2週間前の申告タイムトライアルでまさかの19分10秒(申告タイム17分30秒)、レース1週間前の1km3分50秒の10kmペース走がきつかった過程がそのままレース結果として出てしまいました。10km地点で大矢さんを抜き「お先にどうぞ」と言われてたが、17kmで追い抜かれ、山ちゃんには27kmといつもより速く抜かれる展開に。残り24kmは別府なだけに地獄めぐり状態。終盤は1km5分以下までペース低下。最後のトラックでゴールした山ちゃんに声をかけられ、熊本から両親が応援に駆けつける中、不甲斐ないフィニッシュ。ずっと苦しい状態のレースとなってしまいました。
最後は川那部さん。なんと3時間29分58秒!!滑り込みで別大マラソンをグロスで完走しました。スタート地点が後ろなので、ロスが1分少々あり、この借金を少しずつ返し、後半の落ち込みに備え貯金もしなければというプレッシャーを感じつつ、10km折返し後は太陽光を正面から浴びて少し暑さを感じながら、18kmの別大国道はS字カーブ連続のバンクなので、皆同じことはを考えているので、なるべく最短距離になるように走り、人の後ろについていき、大分市街地に入り、28kmくらいから脚に疲労感を感じるようになるもまだジョギング中と心に言い聞かせながら、弁天大橋を超えて30km通過。少しづつラップタイムが落ちてきて、向かい風を感じるようになり、かなり辛くなってきたが、35kmで折り返せば追い風だと自分を励まし続け、フォームはぐちゃぐちゃでもとにかく腕を振ってゴールを目指し、競技場に入るところで沿道から「あと2分あるよイケるよ」と声がかかる。「もらった」と思ったがこれが甘く、疲労困憊の体にトラック1周400m2分はマジキツい。すると健介さんの大声援が聞こえ、最後の力を振り絞ってゴール!!あと2秒でサブ3.5逃すところだったが、健介さん曰く「残り2秒のゴールは皆、大歓声と拍手の渦が起きていた」とのこと。
これで3年ぶりの別大も全員DNFならずに完走できました!!
3年ぶりの大会でも名カメラマン池田さん、山田香織さんの常連応援隊2名に島根県/北海道から欠場しても応援にまわった門脇さん、鈴木さんと一緒に遠路遥々、別府に来ていただき、熱い素晴らしい大応援と写真、動画撮影していただきました。(感謝感激雨嵐!!)特に今年は例年以上にTBSテレビに千代田の旗が映り、門脇さんの声が枯れる声援がTVに拾われ、九州から千代田走友会を全国発信する応援になりました。
今年の撮影ポイントは例年と同じく
(1)30km手前の弁天大橋の下り坂ふもと
(2)残り1kmの陸上競技場入る手前の川沿いの道
の2か所で3大会連で全員をレンズに収めることができました。
また今大会から別途ネットでLIVE配信があり、1号車/2号車カメラと10km折返し/35km折返し定点カメラにゴール映像がを見ることができ、皇居応援組もLIVE映像を見ながら楽しむことができ、選手5人の位置に赤丸をつけて送ってくれたりもしました。
なお、この大会でハッサン選手が大会新記録の2時間6分43秒、「よこたっきゅう(右手を卓球のような手の振りで走る独特なフォームから由来)」で有名な青山学院大学の箱根駅伝出場選手、横田俊吾選手が学生新記録の2時間7分47秒をマークする記録ラッシュの大会になりました。さらに山中教授が59歳でまたも自己ベストを更新してニュースになりました。
今大会はの千代田は当日帰る選手/応援も多く、打上げは山ちゃん・大矢さん・健介さん・鈴木さんの4名でしたがサブスリー経験者4名の色々な濃い(?)話を聞きながら、ふぐ、刺身、豊後牛、とり天、赤だし、焼酎等を堪能し、その他各地温泉につかり2024年の大会参加を再び誓い合いました。
3年ぶりの別大マラソンも制限時間3時間30分であり、約1200人が完走できない完走率70%前後の厳しい高速レースでしたが、年々参加人数が増え、昔テレビで見た同大会が憧れから参加に変わるモチベーション向上として、そして応援する側も力が入る、まさにエリートランナーの登竜門。
それだけ世界観が変わるレース!!参加することに価値のある大会!!
コロナ禍も考慮して出場資格の公認記録大会も従来の直近2年から4年に延長しており、千代田で資格のあるメンバーは、現時点で約15人ほど。また今大会の新規申込者はクリック戦争ではなく抽選だったため、もしかしたら人気の過熱ぶりの影響で、サブスリー達成しても抽選の可能性もあり、ますますエントリーが心配ですが、2024年は念願の別大参加2桁人数で千代田ブルーを別府になびかせたいと思います。
(今年もホテル、打ち上げともに好評価をいただけました。来年もよろしくお願い致します。)
【出場者、応援者インタビュー】
杉本:「レース前に経験者の大矢さんから2時間40分台だとある程度まとまった集団ができるので、そこに着いて単独走にならないようにと言われたので、分裂しないなるべく大きい集団に残るように見極めながら進みました。大きい集団にまとまっても2時間40分切りたいグループと、ペースアップが出来ないグループに分かれるので、自分の身体と相談しながらどちらかにつきながら進みました。気まぐれ練習で3年近く伸び悩んでいたところを、今年の秋から長期の練習計画を立ててトレーニングした結果が早速現れた形になり、気象コンディション、体調、足の状態、レース展開と全てハマり、喜びも大きいです。千代田の皆さんと一緒に行動できて初出場ながら安心して走ることができました。ありがとうございました!!」
大矢:「最近の別大はサブスリーの参加人数も増え続けているので、昔のようにまとまった集団よりは線上になることが多く、単独走になりにくい点が良い。サブスリーできなかったらやめようと思っているがサブスリーできたので来年も走ります。」
山田(隼):「今年はイヤホンやカメラ携帯して走るのは禁止と明確に謳われており、今まで自分の呼吸の乱れを聞くのが嫌で音楽を聴きながら意識をそらして走っていたことができなくなり不安でしたが、意外と気になりませんでした。リアルフルマラソンは3年ぶりで不安だったがセカンドベストを出せたのは収穫。考えられる理由は2点。1つは昨年7〜9月に独身以来の夏に月間200km以上走ったため、冬の練習でも体が軽いと感じていた点、もう1つはいつものお約束ですが毎年言っているように香織ちゃんの手料理。独身時代の偏った食事や外食ではなく、家で作る家庭料理を日々食べていることで後半失速しない走りができている点、食べたものが身体を作る。だから37歳でも28歳の自己ベストと1分30秒歳のレベルで走ることができている。目先ではなく日々の食事の重要性を説く香織ちゃんには感謝感謝です。そして今年も現地だけでなく皇居や青蓮からの応援もありがとうございました。」
渡辺:「良い結果を残せなかった要因は、年末年始の旅ランだったのは言うまでもなく、超長距離&スローペースによって、スピードに対する持久力を一度落としてしまい、そこから戻せなかったため。かといって、旅ランをやめるつもりもないし、やったことに後悔も無い。むしろより面白くなるよう今後もブラッシュアップし続けたい。ただ、今回の教訓をポジティブに生かしたいので、旅ランしつつもスピードに対する持久力を維持できるよう改善していきます。今回もレース前後に食や温泉を楽しめました。やはり別府サイコーです!そして、応援して頂いたみなさんにも感謝です。悔しいですが、期待に応えられるよう出直します!」
川那部:「大学時代にゆかりのある大分を前日に色々まわったり、千代田走友会のメンバーと決起会したりと日帰りぼっち参加がほとんどの私としては新鮮な経験でした。12時スタートなのでいつもよりのんびり起きて、朝食後、少し散歩してからうみたまごに向かう余裕の準備。しかしスタート地点に整列すると流石に緊張感が高まりました。レースは残り7kmが追い風だったのがラッキーでした。ゴール後は慌ただしく着替えて空港行きバスに乗り、当日帰宅しましたが充実した2日間でした。グロスで完走し、来年の別大切符を手に入れたので来年も走りたいと思います。」
池田:「3年ぶりの別大でしたが、いつ来ても素晴らしい大会です。いつまで行けるかと言いつつも身体が元気な限り、撮影はお任せください。」
山田(香):「29kmの弁天大橋は2時間15分頃に通過しないと41kmの応援に間に合わないので、川那部さんには41kmまで頑張って走るようお願いしましたが、無事に全員動画を撮れてよかったです。今年は初めて大会当日に主人を置いて先に帰ったので3年ぶりの別府の空気をゆっくり感じることはできませんでしたが、家に帰った後に主人とTBSで録画した映像を見て、千代田走友会の旗がズームアップされるランナーと一緒に映っていたり、千代田を全国に宣伝できたのは良かったです。」
門脇さん「皆さん、カッコよかったですよ。走れずくやしー。大声を出しすぎて喉がガラガラです。」
鈴木「走れなかったのは残念でしたが、楽しく過ごすことができました。池田さん、香織ちゃんと応援にまわって移動や時間配分など応援の大変さも経験できて良かったです。来年リベンジしつつ、ランナーに戻っても応援の掛け声に元気をもらって走れる事に感謝しながら走りたいと思います。」
来年も山ちゃん2024別大ツアー実施期待!!
文責:山ちゃん
応援:池田、山田(香)、門脇、鈴木
写真:池田、山田(香) |