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ヒガンバナ、マンジュシャゲ(彼岸花、曼珠沙華) ヒガンバナ科 年によって早い、晩いがありますが、9月15日から10月5日までの間で、1週間から10日間、花を咲かせます。 ヒガンバナの名の通り、秋の彼岸を代表する花です。皇居周回路では、桜田濠、半蔵濠が著名で、殊に桜田濠の皇居側の斜面では、多い年には、まるで緋毛氈を敷いたかと思わせるような、見事な光景が数日続きます。 ヒガンバナは、史前帰化植物と位置づけられています。 山野に生えず、人里にだけ見られるのが帰化植物と判断される根拠のようで、日本に自生しているのは、何故か結実出来ない3倍体のため、鱗茎(球根)が分かれて増えるだけなので、繁殖には、人の手を介するか、洪水で運ばれるというケースが多く、田畑の畦とか、墓場に多いのは、根にある有毒成分の力で、作物や遺体が、害獣に荒されるのを防ごうとしたからであろうと考えられています。
ところで、周回路では、赤いマンジュシャゲに混じって、ところどころに、シロバナマンジュシャゲが見られます。 昨秋、この欄で、「ショウキズイセンとの交配種で、東京では、ここと、神代植物公園の水生植物園だけといわれる珍しい種類だそうで、皇居の方は献上品とのことです」とご紹介したのですが、昨年9月下旬、神宮外苑周回路(聖徳記念絵画舘周辺)で練習走をしたとき、ここかしこにシロバナがあるのを見つけて、びっくりしました。 そればかりではありません。 献上品なら皇居周回路のこちら岸にある筈はないのに、三宅坂の眼下の斜面、少なくも3箇所で花が見られましたし、桜田門広場のベンチの背後にも、数輪咲いていました。 ショウキズイセンは、種子で繁殖できる2倍体だそうですから、シロバナの中にも、種子で繁殖出来る種類があるのでしょうか、それとも草刈機に附着したシロバナの鱗茎などの断片が、こちらの岸での作業中に落ちたのでしょうか。 ’82年4月入会 佐々 幸夫(69 |
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