4月の初め、ランナーズを読んでいると「隠岐の島ウルトラマラソン出場者募集中」の記事が目に止まった。
2年前の夏に単独合宿で訪れたことがあり、走ってみたくなった。2ケ月の準備期間で走れるだろうかと、一抹の不安もあったが「今やらなければ、いつやるんだ!」と自分を叱咤激励し、エントリーした。
走歴は35年であるが、100kの長丁場を走れるだろうか?と心配もあったが6分/kを目標に初挑戦を決意した。
スタート前近くのホテルロビーでは全国からのウルトラ強者らしきランナーが集まり話していた。
(日焼けした顔、引き締まった脚、みんな速そうだな〜)
私の「東京千代田走友会」のユニフォームを見て、
「遠路から大変ですね!千代田走友会には甲州夢街道の私設エイドでお世話になりました」(片山さんの応援エイドでしょう)
萩往還では「一時、並走させて頂きましたと」と千代田の名が出ると嬉しい。
「隠岐の島はアップダウンが多く屈指の難コース」と脅かす強者達だったが、知らぬが仏でござる。一気に打解けて、全国のウルトラ大会の話題で盛り上がった。第一回大会に、町谷会長・高野さんも走っており事前情報は得ていた。
朝、5時に停泊中の汽笛の音を合図に、薄暗い港からウルトラは始まった。
●0k〜20k(1:52)▽8分
10kくらいは小さな峠超えはあるが、フラットコース。知らないランナー達と挨拶や話しながら走る。
曇天で走り易いし、呼吸も楽だった。日本海が広がっている。
●20k〜40k(2:00)0分
25kから35kにかけて前半の山場である250mを上って行く。陽も上り暑くなって来た。こまめな給水を心がける。
上りを考慮し、予定通り6分/kで走る。徐々に気温が上がりだし、Tシャツに塩が噴き出した。
●40k〜60k(2:13)▲13分
時間は13分オーバーしたが、50kのレストステーションで15分間ゆっくりアイシングし、おにぎりを食べる。
ボランティア達が、かいがいしくお世話してくれて嬉しい。汗だびっしょりだが、まだまだ元気だ。
●60k〜80k(2:42)▲42分
150mの山を3つ越える。徐々に脚が疲れてきた。小さなボデーブローが効いてきて昇りの足が上がらない。
70k地点で7時間。6分/kで10時間は絶対に無理と判断。女子中学生達の給水所で元気を貰い走り出す。
●80k〜100k(2:32)▲32分
前後のランナーが見えなくなった。軒先で老人たちが椅子を並べて応援してくれる。「ありがとう」と返礼しながら
走るが、太ももが痛い。ゴール近くになって、不思議と快調に走れる自分が不思議だ。両手を上げガッツポーズ。
100kフィニッシュ 11時間23分37秒
(50歳代:9位/51人 総合33位/172人 完走率不明)
たった2ケ月で練習不足は否めないが、無事に初挑戦初完走が出来て良かった。
完走後は、早い遅いに関係なく老若男女が健闘を讃えあい、次の再会を誓った。
健康で元気に走れるって本当に、なんて自分は幸せもんだ! (みんなに感謝感謝で〜す)
●トピックス
坂の上の75k給水地点で、女子中学生が飛び跳ねながら「頑張れ!頑張れ!」大声で応援してくれる。
給水場に5人の女子中学生と教師らしき男性がいた。
「水ですか?」「スポーツドリンクですか?」と二人が
コップを差し出す。片方だけ飲むのも悪い気がして両方を無理して飲み干した。
もう一人の女子中学生が「すいません、握手してもらっていいですか?」と聞くので「オジサンで良ければ・・・」
「おじさんカッコいいですよ!」(嬉しいこと言ってくれるね〜)
すると、「私も!」「私も!」と全員と熱い握手。「元気パワーを貰ってありがとうございました」と女子中学生。
いやいや、「元気を貰ったのは私の方ですよ!ありがとう」
「頑張って!」の声援に送られ走り出した。給水紙コップを集めていた教師に「あなただけですよ、あんな熱い応援は!」と聞いて、走りながらウルウルしてしまった。隠岐島は花と人情のいいとこだった。(僕か〜幸せだな〜)