7月 皇居周回路の1187、1188 一覧へ戻る
キョウチクトウ(夾竹桃) サルスベリ(百日紅) アベリア
 (キョウチクトウ科)

 走路に、キョウチクトウのピンクの花を初めて見つけると、「夏の暑さが 始まるぞ」と思うのが常です。
 夾竹桃の名の通り、葉は、竹に似て細長く、花は、桃花に似ています。葉が3枚づつ輪生するという特徴があります。 根元から盛んに枝分かれして、勢い良く伸びる枝は、高さ3〜4mにも達します。 走路脇で見られるのは、いずれも八重咲きですが、民家のお庭で見かけるものには、一重もあれば、白花の
品種もあります。
 原産地はインドで、学名の Nerium indicum からも窺い知ることが出来ます。過酷な環境下でも生育するので、街路樹としてよく用いられています。 幹線道路沿いに咲く、ここかしこのキョウチクトウを、ご存じの方も多いことでしょう。
 樹皮や根には有毒物質を含んでおり、利尿剤などとして民間療法で使われたこともあったらしいのですが、用法、用量を誤ったら大変。 試用しないで下さい。
 皇居周回路沿いでは、三宅坂の中央部、国道246号線(青山通り)の始点に近い、桜田門広場起点の3.98km地点、ケヤキの木の根元から20mほど先までの間に3基と、同じく4.155km地点「柳の井」の説明板の手前に2基、説明板の下の方に1基あります。
 三宅坂のツツジと同様、今年の春、いずれも強剪定されたばかりなので、今シーズンは、花の多さを期待できそうにありません。

 千代田走友会の集合場所「大手濠緑地」が「清麻呂公公園」と呼び慣わされていた平成初年まで、300mほど先の「道潅公公園」は、キョウチクトウの薮とでも形容したい風情で、伸びるに任せたキョウチクトウが欝蒼と繁っていました。警備上の難点と見たのか、ケヤキを主とした10本ほどの大木を配しただけの見通しの良い石畳の広場に変わって、キョウチクトウは影も形も無くなりました。
 古くからの会員の皆さん、夏場の見事なピンクを憶えておられますでしょうか。

 花屋さんの店先で見かけるニチニチソウも、同じキョウチクトウ科の植物です。

               ’82年4月入会   佐々 幸夫